価値という、物語。

RESEARCH NOTE 01 / 年齢と初期魅力

女性は何歳までモテる?男女の年齢選好を4,500件のブラインドデートで読む

短い答えは、「男女の好みはいつでも逆向き」とは言えない、です。PNAS 2025の対面データでは、参加者は平均すると若い相手に少し惹かれ、その傾向に大きな男女差は見られませんでした。ただし、これは初対面の魅力を測った研究であり、長期関係や人間の価値を測った研究ではありません。

研究記事|公開・更新

結論:「若い相手を好むか」という問いは、自己申告、オンライン上の選択、会った直後の魅力、交際成立のどれを指すかで答えが変わります。PNAS 2025は、少なくとも特定のマッチメーカー利用者の初期魅力について、若さへの小さな傾向に大きな男女差がないことを示しました。これは「年齢差のある交際が同じ割合になる」という意味ではありません。

THE QUESTION IS NOT ONE QUESTION

「女性は何歳までモテる?」を分解する

「モテる」は日常語として便利ですが、研究では一つのアウトカムではありません。プロフィールを見られた回数、いいね、マッチ、返信、初デートの魅力評価、2回目のデート希望、交際の継続、性的満足度は、それぞれ別の現象です。数字を一つの「性的価値」に換算すると、研究が測っていないものまで測ったように見えてしまいます。

年齢・魅力研究で分ける測定の層
測定の層質問の例分かること分からないこと
自己申告何歳の相手が理想か回答者が言語化した希望や規範実際に会ったときの評価、関係の結果
オンライン行動誰を閲覧・選択・連絡したかプラットフォーム上の選択対面時の化学反応、アプリ外の出会い
対面の初期魅力会った相手に惹かれたか、再会したいか最初の評価と2回目のデート希望交際成立、長期満足、結婚
関係の結果継続、満足、ウェルビーイング関係が続いた後の結果最初の選択だけで結果を説明すること

PRIMARY STUDY / PNAS 2025

PNASの4,500件超のブラインドデートで測ったもの

Eastwick、Finkel、Meza、Ammermanの研究は、長期パートナーを探すマッチメーカー利用者を対象に、4,542件のブラインドデートから合計9,084件の評価報告を集めました。参加者は6,262人で、22〜85歳、中心は中年層でした。デート後に、相手への恋愛的魅力、全体評価、2回目のデート希望を回答しています。

結果 1|若さへの傾き

相手の年齢が高いほど、恋愛的な欲求の平均値はわずかに低くなる傾向。効果は小さく、年齢だけで個人の評価を決める結果ではありません。

結果 2|大きな男女差なし

恋愛的欲求の年齢傾斜は、男性と女性で大きく違いませんでした。研究の表では、集約指標の傾斜は全体−0.08、男性−0.07、女性−0.03です。

結果 3|自己申告の上限

事前に答えた「相手の年齢上限」を超えた相手でも、評価が急に落ちたり、年齢の傾斜が変わったりする証拠は確認されませんでした。

重要な読み方:研究が否定したのは「このサンプルの対面初期魅力に、想定された男女差が現れる」という見方です。年齢と交際成立の関係、文化差、性的指向ごとの差、長期的な相性を一括して否定したわけではありません。

LIFE-COURSE COHORT / WISCONSIN / 2017

思春期の顔評定と、後年のパートナーへのアクセスは別の結果

Karraker、Sicinski、Moynihan(2017)は、1957年にウィスコンシン州の高校を卒業したコホートの一部を50年以上追跡したWisconsin Longitudinal Studyで、思春期の顔の魅力度評定と後年の親密な関係を分析しました。卒業アルバム写真を12人の評定者が評価し、約64歳時点の性的活動、潜在的な性的パートナーへのアクセス、結婚状態による違いを多変量回帰で検討しています。

関連したのは「アクセス」

思春期の顔の魅力度評定が高い人ほど、後年に潜在的な性的パートナーへアクセスできる状態と関連しました。論文の解釈では、性的活動との関連は主にこのアクセス経路で説明されます。

結婚内の性的活動とは別

既婚者の性的活動については、思春期の魅力度との関連は確認されませんでした。未婚・既婚を混ぜた単一の「モテ」指標ではありません。

現在の顔や個人予測ではない

後年の現在の魅力度を測る研究ではなく、米国の特定コホートの観察的関連です。年齢の上限、将来の交際成否、日本の関係形成を予測する数字には変換できません。

境界:縦断的な追跡を含む観察研究ですが、魅力度やパートナーへのアクセスを無作為化していないため因果効果は分かりません。歴史的な米国コホートで、現在の顔評価、アプリ上の行動、日本の恋愛市場全体を測定した研究でもありません。

WHY THE AGE GAP CAN STILL APPEAR

初期魅力が似ていても、カップルの年齢差は生まれる

この研究では、実際に組まれた男女のデート相手に、平均で約3.5歳の年齢差がありました。それでも、男女とも自分より若い相手への小さな傾きを示しました。ここから分かるのは、年齢差のあるカップルが観察されることと、初期魅力の男女差が大きいことは同じではない、という点です。

マッチメーカーが最初に作る候補プール、参加者がそのサービスを選ぶこと、会う前の年齢条件、相手の職業や会話など、複数の段階が結果を形作ります。会う前に誰が候補になるかを決める仕組みと、会った後に誰へ惹かれるかを同じ「好み」と呼ばないことが大切です。

JAPAN / RETROSPECTIVE SURVEY / 2026

日本の交際形成では、初期魅力とは別に「似た属性の相手」が測られる

Chiba、Haganuma、Nakata(2026)の東京大学CREPE Discussion Paper No.185は、2023年9月にCross Marketingと実施した10回の回顧調査を分析しました。各調査は2014〜2023年の各年に対応し、1回1,000人、合計10,000人です。2023年時点で25〜45歳、対象年の1月時点で未婚・交際相手ありの回答者に、交際開始時の本人と相手の年齢、所得、雇用形態を尋ねました。

年齢

20〜24歳、25〜29歳、30〜34歳の同じ年齢群に入る相手の割合を測定。25〜29歳と30〜34歳では、2010年代からの同類性の上昇が統計的に有意でした。

所得

年収0〜400万円、400〜800万円、800万円以上の群を比較。年齢群を考慮した所得の同類性は、全体として安定していました。

雇用形態

正規、非正規、無職・学生の群を比較。正規雇用者では同じ雇用形態の相手を選ぶ傾向に上昇が見られましたが、すべての群の普遍法則ではありません。

これは初対面の恋愛的魅力でも、アプリの表示・マッチ率でもありません。交際関係が始まった相手の属性の近さを、複数年の回顧データから記述した結果です。COVID-19後の年ダミーを加えた分析では、年齢・所得・雇用形態の同類性に大きな逸脱は確認されませんでした。

境界:過去10年を思い出す回顧調査なので記憶バイアスがあり、2023年時点で25〜45歳のコホートに限られます。同類性は同じ属性群の相手がどの程度いたかを示す記述指標で、年齢が魅力や交際を引き起こす因果効果、アプリ利用者全体の傾向、個人の将来予測ではありません。出会い方にはオンライン/SNSも含まれますが、アプリ内ログの研究ではありません。

プラットフォーム上の「年齢ラベル」そのものが候補集合と段階別の結果をどう変えるかは、年齢表示・年齢フィルターの研究ページで、IBJデータを使ったJPAGE-001の年齢ラベル研究と、婚前12属性の段階別同類性を扱うJPAGE-004を分けて読めます。

オンライン出会いと年齢の同類性——米国HCMST 2017調査の分析(Park 2026、Journal of Marriage and Family)では、同性カップルは異性カップルよりオンライン出会いが多く、人種・学歴・年齢の同類性が低いことが示されました。オンラインで出会ったカップルは両タイプとも年齢差が小さく、ネット出会いは観察される「年齢同類性の差」を縮める方向に働いています。ただし横断データであり、出会い場の選択自体が交絡しています。原典

JAPANESE SPEED-DATING FIELD STUDY / 2026

日本のスピードデートでは、3分の対面で何が評価されるか

西洋の速度デート研究の知見が日本でも成立するかを確かめたKitoら(2026)のフィールド研究があります。日本の会場で男性27人・女性28人が参加し、各回12〜15人で3分ずつ会話した後、相手ごとに魅力と交際意向を評価しました。事前アンケートで属性(学歴・収入・愛着・パーソナリティ)を測定し、social relations modelで分析しています。

3分で伝わるもの

男性は写真で評価された身体的魅力が高く、学歴の高い女性をより魅力的と評価しました。一方、パーソナリティ特性は3分の対面では評価に有意な効果を示しませんでした——著者らは、性格は短いやり取りでは相手に伝わりにくいと説明しています。

この研究の限界

標本が小さく(55人)、著者自身が非有意な結果は解釈できないと明記。写真ベースの魅力評価が対面と同じとは限らず、単一会場の募集です。

読む位置

PNASブラインドデート研究(4,500件)と同じ「初期魅力」段階を日本で測った補完です。規模は小さいものの、日本語圏の読者にとって「西洋の知見の日本での検証」として価値があります。

境界:初期印象の実験的記述であり、長期関係の結果でも、年齢差そのものの分析でもありません。アプリ上の選択とは別の文脈(対面・3分・事前情報なし)での評価です。

REGISTER DATA / DISSOLUTION RISK / 2014

年齢差と別居リスク——登記データが示す勾配

「年齢差カップルは長続きしない」という主張には、集団レベルの証拠があります。MäenpääとJalovaara(2014)は、フィンランドの登記データから同棲カップル20,452組を抽出し、月単位の記録で別居ハザード(リスク)をCox回帰で推定しました。年齢差を7つのカテゴリーに分けて比較しています。

勾配は存在する

年齢差が大きいほど別居リスクが高い——特に女性の方が年上の場合に勾配が急です。女性が8歳以上年上のカップルは、男性が0〜3歳年上の基準群に対しハザード比3.54。男性が12歳以上年上でも2.22でした。

北欧知見との整合

このパターンは先行する北欧研究(女性上位の年齢差でリスク増大)と整合的です。教育の同類婚の有無は親の背景より別居リスクと強く結びつきました。

集団レベルの数字

これは相対的な集計リスクであり、個人の予測ではありません。同棲カップル・特定時期のフィンランドという条件付きです。「自分たちの関係は危ない」という判定にも、「だから年齢差は避けるべき」という処方にも変換しません。測れているのは解消ハザードの分布です。

境界:観察的な登記分析であり、同棲への選択は統制されていません。結婚カップルではなく同棲カップルの研究です。Demographic Research誌の論文(オープンアクセス)

FIRST-MARRIAGE SURVEY / US 2010-2019 / 2023

同棲のタイミングと婚姻解消——「いつ」が「どうか」より効く

「同棲は離婚リスクを上げる」という言説には、タイミングを分解した調査があります。StanleyとRhoades(2023)は、2010〜2019年に初婚した米国人1,621人(50歳以下、いずれも初婚同士)の全国サンプルで、2022年時点の婚姻継続状況を同棲の歴史別に比較しました。

婚約前同棲の差

婚約前に同棲を始めた層では34%の婚姻が解消、婚約後または結婚後のみの層では23%——調整済みで相対的に48%高い解消可能性。一方、「同棲しなかった」群と「婚約後のみ」群に有意差はありませんでした。

「スライド」対「決定」

計画せず流れで同居を始めた層(スライド)は、話し合って決めた層より13ポイント高く解消しましたが、共変量調整で差は半減。動機も関係し、「関係を試すため」「経済的に理にかなうから」は「一緒にいる時間を増やしたいから」より解消と結びつきました。

読めること・読めないこと

これは自己選択された同棲タイミングの集団間比較です。「同棲すれば離婚する」処方にも「だから同棲は避けるべき」という規範にも変換できません。測れているのは、米国・この期間・この標本での関連構造です。

境界:回顧的自己申告、単一国、グループ比較用に最適化された標本という限界があります。Institute for Family Studies研究報告

TWO NATIONAL SAMPLES / OLDER ADULTS / 2024

中年以降の年齢差カップルは不幸せなのか——2標本の比較

「daddy」「cougar」といったレッテルとは裏腹に、中年以降の年齢差パートナーシップの実態を調べた研究は少ない。Silva(2024)はMIDUS 2013とNSHAP 2015-16という2つの米国代表標本を用い、年齢差のあるカップルと同年齢カップルを生活満足度・関係ウェルビーイング・性的ウェルビーイングで比較しました。

ほとんどの指標で差なし

生活満足度と関係ウェルビーイングのほとんどの測度で、年齢差カップルは同年齢カップルと有意に異なりませんでした。「年の差=不幸」の図式は、このデータでは全体的には成り立ちません。

差が出たのは性的側面の一部

年上男性と結ばれた女性は、性的頻度が低く、性満足の問題が多く報告。ただし潜在クラス分析では、この違いはサブセットのごく一部——約40%以下の少数層——が担っており、均一な効果ではありませんでした。

読めること・読めないこと

これは横断的な自己選択比較です。「年齢差カップル=問題あり」にも「何の違いもない」にも変換しない。測れているのは、平均的には差がなく、少数層に特定の困難が集中するという分布です。

境界:米国限定、高齢者標本、サブグループ規模が小さいという限界があります。MIDUS公開PDF

HEIGHT PREFERENCES AND SOCIAL NORMS / 2025

身長選好は「生物学的定数」ではなく、規範と相関する

「背の高い男性」への選好が語られるとき、それを生物学的な絶対基準として扱う言説が少なくありません。DialとBrown(2025)のHuman Nature研究は、英国の異性愛成人242人(18〜39歳)に理想のパートナー身長・許容範囲・身長の重要度を尋ね、3種類のジェンダー規範尺度(性差別的態度・フェミニスト態度・性役割への一致度)との相関を調べました。

再現された「男性が高い」規範

女性は自分より高い相手を、男性は低い相手を理想とするmale-taller規範が再現されました。ただし女性側の選好の方が強く、身長を重要視するのも女性でした。

規範スコアとの相関

理想の身長比そのものは、どのジェンダー規範尺度とも有意な相関を示しませんでした。一方、男性ではフェミニスト態度が高いほど自分の身長も理想パートナーの身長も高いという正の相関(r≈0.22)があり、自由記述では「ソーシャルメディアが描く像」という理由が挙げられています。

著者の解釈枠組み

著者らは、身長選好の集団間変動を踏まえ、遺伝文化共進化——生物学的傾向と社会的規範が相互に影響し合う——の候補としてこの結果を読んでいます。単純な進化適応でも、純粋な文化産物でもない立場です。

境界:申告された選好であり行動ではありません。相関研究で因果の向きは不明、標本は英国の18〜39歳異性愛者です。「何センチ以下は対象外」という個人ルールや、日本の身長観への外挿には使えません。Human Nature誌の論文(セントアンドリュース大学のオープンアクセス全文あり)

FORMED COUPLES, NOT FIRST GLANCES

実際に年齢差のある関係にある人は、何を報告しているか

選好や出会いの段階とは別に、すでに年齢差のある関係を続けている人たちの報告があります。Banburyら(2025)は、年齢差がおよそ7〜10年以上ある関係・交際中の126人(18〜50歳以上)をオンライン横断調査で調べました。性的機能、関係満足度、性的満足度、性的セルフ効力感、ウェルビーイングを検証済み尺度で測り、年上側と年下側の組み合わせ別に比較しています。

男性側の報告

年齢差のある関係を前向きに捉えているかは、関係満足度が予測した。年上男性×年下女性の組では、年下男性×年上女性の組に比べて、自分の性的機能へのとらわれが強く、射精に関する困難の得点も高いと報告されました。

女性側の報告

前向きな捉え方は、関係満足度・性的満足度・性痛のなさが予測しました。年上女性×年下男性の組は、年下女性×年上男性の組に比べて、性的満足度・興奮・潤滑・オーガズムの得点が高いと報告されました。

経済的利得の知覚

「経済的な得がある」との知覚は、年下女性×年上男性、および年下男性×年上男性の組で多く報告されました。年上女性と付き合う女性からはこの報告が目立たなかったと著者は記述します。

この研究が示すのは「年齢差のある関係そのものの満足度」であって、年齢差が関係を良くも悪くも「する」因果効果ではありません。著者自身が横断デザイン・スノーボール型の自己選択サンプル・異性愛者の過剰 representation・LGBTQIA+ の声の弱さを限界として明記しており、結果は集団内の関連として読む必要があります。ここから「年上の相手を探せば満足する」「年下の相手は損をする」といった個別の処方や序列を作ることはできません。

境界:126人・自己報告・横断調査の結果であり、初期魅力の実験(PNAS 2025)や出会い段階の選好データ(Antfolk、Skopek)とは測定段階が異なります。満足度や性的機能の群間差は、関係の質が年齢差で決まることを示す証拠ではありません。

POPULATION BASELINE

実際の結婚で年齢差はどれほどあるか——米国センサスの人口基準線

「年齢差カップル」というと特別なものに見えますが、人口統計の基準線は違う絵を示します。Pew Research CenterのFry(2024)による米国国勢調査・米国コミュニティ調査(ACS)の分析では、2022年の異性同居婚姻約68万件において、夫婦の平均年齢差は2.2歳(2000年2.4歳、1880年4.9歳から縮小を続ける歴史上最小水準)でした。

同世代婚が多数派

2022年時点で51%の婚姻が年齢差2歳以内(2000年は46%)。夫が3歳以上年上は40%(2000年43%から減少)、妻が3歳以上年上は10%です。

再婚で差が広がる

初婚の夫の56%が同年代(2歳以内)なのに対し、再婚の夫では32%。再婚市場では年齢差パターンが変わりやすいことを示します。

これは選好ではない

センサス統計は形成済み婚姻の記述であり、誰が誰を望むか、デート市場の力学、個人の価値を測っていません。「平均2.2歳差=2.2歳差が正しい」といった規範への転用もできません。

境界:米国の異性同居婚姻に限定(同性カップル・別居パートナーは対象外)、年齢は整数報告。日本の実測とは制度も分布も異なるため、この数字自体を日本に当てはめることはできません。ブラインドデート実験(PNAS)や出会い段階の選好研究と同じ土俵の数字でもありません。

COMPARISON, NOT A SINGLE VERDICT

別の研究が違う結論に見える理由

年齢と初期魅力を扱う研究の比較
研究対象・方法主に測ったもの読むときの限界
Eastwick et al. (2025)6,262人、4,542件のブラインドデート対面直後の恋愛的欲求・評価・2回目のデート特定のマッチメーカー利用者。実際の長期関係形成は測っていない。
Antfolk (2017)18〜50歳の成人2,655人、人口ベースの調査性的パートナーの想定年齢範囲と、過去5年の実際の年齢範囲性的関心・行動の研究で、恋愛や長期パートナーの選択とは別の問い。
Skopek et al. (2011)オンラインデートの行動データと、オンラインパネルの自己申告年齢選好と、他の属性を含むオンライン上の選択プロフィール段階の行動で、対面の魅力評価ではない。
Karraker et al. (2017)1957年卒業コホートの50年以上の追跡思春期の顔評定と、後年の性的活動・潜在的パートナーへのアクセス観察的な米国コホートで、現在の魅力や個人の将来、初対面の評価を測っていない。

Antfolkの研究では、女性はやや年上の性的パートナーを想定し、男性は若い女性への関心を残しながら年齢とともに考慮する範囲を広げました。一方で、若い相手への関心がそのまま実際の性行動に変換されるわけではありません。Skopekらのオンラインデート研究も、年齢選好が自分の年齢や他の属性とともに変化することを示します。これらはPNASと矛盾するというより、測定場所が違います。

FROM AGE TO “VALUE”

「年齢の傾向」から「人間の価値」へ飛躍しない

研究で年齢と評価に統計的な関連が見つかっても、それは「人間の価値」が年齢だけで下がることを意味しません。少なくとも、年齢は測定場面、相手の属性、関係の目的、文化、プラットフォームの設計と一緒に現れます。

  • プロフィール閲覧の年齢傾向は、2回目のデートの希望と同じではありません。
  • Fry / Pew Research Center (2024), “A growing share of U.S. husbands and wives are roughly the same age”米国国勢調査・ACS約68万件の異性同居婚姻分析。平均年齢差2.2歳(1880年の4.9歳から縮小)、同年代婚51%、夫3歳以上年上40%、妻3歳以上年上10%。形成済み婚姻の記述統計であり選好データではない。
  • PNASの初対面の評価だけから、交際・結婚・性的満足度の結果は推定できません。別の観察研究の関連も個人の予測にはできません。
  • 平均的な傾向は、特定の個人の将来や魅力を予測する判定表ではありません。
  • 男女平均の差が小さいことも、個人差や性的指向・文化差が消えることを意味しません。

つまり「女性は何歳までモテる?」への研究的な答えは、固定された年齢の境界ではなく、「何をモテると呼び、どの集団の、どの場面の、どの指標を見ているのかを先に決める」です。

関連記事:アプリ上の閲覧・マッチ・返信・対面のどの段階を見ているかは、マッチ率・返信率・魅力の指標記事で整理しています。アプリ統計がどの母集団の条件付き結果なのかは、選択バイアスとアルゴリズムの記事を参照してください。恋愛の年齢選好と、女性の年齢・外見の自己認識やジェンダード・エイジズムは、女性の年齢・魅力・エイジズムの記事で別の測定単位として整理しています。年齢を理由に人の機会や価値を制限するエイジズムの定義はWHOの年齢差別ガイドで確認できます。日本の交際形成を読むときの利用者規模・出会いの経路の分母は、日本の利用率を分母で読む記事で確認できます。「価値」という語そのものの学術的位置づけは、SMVを分けて読む記事で扱います。

SEARCH QUESTIONS, ANSWERED CAREFULLY

よくある問いへの短い答え

年齢と初期魅力のページで答えられる問い
問いこのページの研究から言える答え
男女は若い相手を好むの?ブラインドデート研究では、若い相手への平均的な選好は見られるものの、男女差は意味のある大きさではありませんでした。申告する年齢上限も明確なしきい値として働きませんでした。→該当セクション
日本でも同じ傾向?東京大学CREPEの回顧調査では、25〜29歳・30〜34歳で同年代の相手を選ぶ傾向が上昇していました。ただし回顧データであり、魅力そのものの測定とは別物です。→該当セクション
年齢差があると離婚しやすい?フィンランドの登録データでは年齢差が大きいほど別れのリスクが高い相関があります。相関であって個人の予測には使えません。→該当セクション
オンラインで出会うと年齢差は広がる?米国HCMST調査の分析では、オンライン出会いは同性・異性カップルとも年齢差を小さくする方向に働き、同類性のギャップを縮めました。横断データのため因果確定ではありません。→該当セクション
初対面の魅力は後の恋愛結果を予測する?PNASの初対面評価だけからは予測できません。別のWisconsin Longitudinal Studyでは、思春期の顔評定が後年の潜在的な性的パートナーへのアクセスと関連しましたが、既婚者の性的活動とは関連せず、因果や現在の魅力の予測ではありません。→ライフコース研究

LIMITS

この研究から言えないこと

  • 日本の恋愛市場全体の年齢選好が同じだとは言えません。
  • 初対面の評価から、交際・結婚・性的満足度の結果は推定できません。
  • 「若い相手への小さな傾き」が、若さだけを理由にした評価だとは限りません。
  • この研究だけで、進化心理学上の仮説や社会規範の正しさを決められません。

利益相反の確認:PNAS論文には、データ提供企業TawkifyのCEO・取締役・株主が著者に含まれるとの記載があります。これは結果を自動的に無効にする情報ではありませんが、サンプルの入口と研究関係を読むうえで記録しておくべき点です。

PRIMARY SOURCES

原典と研究台帳

  1. Eastwick, Finkel, Meza & Ammerman (2025), “No gender differences in attraction to young partners: A study of 4,500 blind dates”PNAS 122(5): e2416984122. DOI: 10.1073/pnas.2416984122|対面の初期魅力、N=6,262、9,084件の評価報告。
  2. Antfolk (2017), “Age Limits: Men’s and Women’s Youngest and Oldest Considered and Actual Sex Partners”Evolutionary Psychology 15(1). DOI: 10.1177/1474704917690401|性的な想定年齢範囲と実際の行動、N=2,655。
  3. Skopek, Schmitz & Blossfeld (2011), “The gendered dynamics of age preferences – Empirical evidence from online dating”Journal of Family Research 23(3), 267–290. DOI: 10.20377/jfr-196|オンライン上の行動データと自己申告の比較。
  4. Chiba, Haganuma & Nakata (2026), “Dating Assortativity in Japan: Evidence from a Retrospective Survey”CREPE Discussion Paper No.185|日本の25〜45歳・合計10,000人の回顧調査で、交際開始時の年齢・所得・雇用形態の同類性を2010〜2022年中心に比較。初期魅力、アプリ内ログ、個人の価値スコアとは別の結果。CREPE公式研究成果一覧と公式PDFを2026年9月18日に再確認。PDF表紙は2026年1月27日付のDiscussion Paper No.185で、確認した公開面に訂正・撤回告知は見つからなかったが、将来版や査読後の変更は保証しない。
  5. Banbury, Pacan, Kostadinova, Hada, Morriss-Roberts, Quarcoo & Chandler (2025), “The relationship between age-gap relationships/dating, sexual function, relationship satisfaction, sexual self-efficacy and well-being”Sexual and Relationship Therapy 40(3), 548–563. DOI: 10.1080/14681994.2025.2506088|年齢差7年以上の関係にある126人の横断調査。形成された関係の満足度・機能の報告で、出会い段階の選好とは別の測定。
  6. Kito, Souma, Nishimura, Yamada, Kanemasa, Taniguchi & Kawamoto (2026), “Do Physical Attractiveness and Personality Traits Predict Romantic Partner Evaluations? A Speed-Dating Study in Japan”Japanese Psychological Research 68(2): 199-211(フリーアクセス)。日本の会場で男性27人・女性28人が3分ずつ対面し、魅力と交際意向を評価。身体的魅力と学歴が男性の評価と関連、パーソナリティは有意効果なし。標本55人の小規模研究。
  7. Dial & Brown (2025), “Relationship between Height Preferences and Endorsement of Gender Norms”Human Nature。英国の異性愛成人242人(18〜39歳)。male-taller規範は再現されたが、理想身長比とジェンダー規範尺度の相関は男女とも有意なし(男性ではフェミニスト態度と自分・理想身長に正の相関 r≈0.22)。Springerの変更履歴では2025年10月9日にTable 2の書式を修正した corrected publication と記録され、研究結果の訂正とはされていない。
  8. Mäenpää & Jalovaara (2014), “Homogamy in socio-economic background and education, and the dissolution of cohabiting unions”Demographic Research 30(65): 1769-1792(オープンアクセス)。フィンランド登記データ、同棲カップル20,452組のCox回帰。女性が8歳以上年上でHR 3.54、男性が12歳以上年上でHR 2.22(基準:男性0〜3歳年上)——年齢差が大きいほど別居リスク高、女性上位で勾配急。
  9. Stanley & Rhoades (2023), “What’s the Plan? Cohabitation, Engagement, and Divorce”Institute for Family Studies。2010-2019年初婚の米国人1,621人。婚約前同棲層の34%が解消 vs 婚約後/結婚後の23%(調整済み48%高)。同棲しなかった群と婚約後群に差なし。
  10. Silva (2024), “‘Daddies,’ ‘Cougars,’ and Their Partners Past Midlife”MIDUS 2013・NSHAP 2015-16の2標本。生活満足度・関係ウェルビーイングの大半の指標で年齢差と同年齢の差なし。差が集中したのは性的側面の一部で、それも少数層が担う分布。
  11. Karraker, Sicinski & Moynihan (2017), “Your Face is Your Fortune: Does Adolescent Attractiveness Predict Intimate Relationships Later in Life?”Journal of Gerontology: Social Sciences 72(1):187-199. DOI: 10.1093/geronb/gbv112|Wisconsin Longitudinal Studyの50年以上の追跡。思春期の顔評定、後年のパートナーへのアクセス、性的活動を結婚状態別に分析。因果や現在の魅力の予測ではない。
  12. Park (2026), “How I Met My Partner: Online Dating and the Homogamy Gap Between Same-Sex and Different-Sex Couples”Journal of Marriage and Family。米国HCMST 2017調査。オンライン出会いは同性・異性カップルとも年齢差を縮め、同類性のギャップを抑制。

原典・訂正情報の確認日:|この記事は研究の結論を個人の価値判定に使いません。

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