価値という、物語。

RESEARCH NOTE 03 / 用語と測定

SMVとは?mate value・sexual economics・ネット言説を分けて読む

短い答えは、「SMVとは何か」を略語だけで決められない、です。このページでは恋愛・性的な文脈のSMVを、学術研究の測定値、理論上の比喩、manosphereのネット言説に分けて読みます。研究ではmate valueやself-perceived mate valueが複数の方法で測られますが、誰にでも当てはまる客観的な数値スコアが確立したわけではありません。

研究記事|公開・更新

結論:恋愛・性的な文脈のSMVを一つの普遍的な点数として扱うのは、現在の研究の測定単位を越えています。学術文献のmate valueは、自己評価か他者評価か、短期か長期か、相手・文化・場面は何かで変わる構成概念です。manosphereで使われるSMVは、研究対象になり得る言説ですが、その言説が前提にする男女の序列や市場モデルが科学的事実として承認された、という意味ではありません。

FOUR TERMS, FOUR JOBS

まず、同じ「価値」に見える言葉を分ける

検索結果では、mate value、sexual market value、sexual economics、manosphereが一つのまとまりとして現れます。しかし、これらは同じ種類の概念ではありません。構成概念、測定尺度、理論、オンライン上の言説を同じものとして扱うと、論文の結果がネット上の点数表に変わってしまいます。

SMV・mate value・sexual economicsを用語で分ける表
言葉このページでの位置づけ研究で確認する問い短絡しないこと
mate value恋愛・性的パートナーとしての望ましさを扱う研究上の構成概念誰が、どの相手に、どの目的で、どう評価したか人生全体の価値や道徳的価値
self-perceived mate value自分がどの程度望ましいと思うかという自己評価尺度の項目、短期・長期の文脈、自己評価との関連他者が実際にどう評価するかとの同一視
sexual economics性的・恋愛的交換を市場の比喩で説明する理論枠組みどの前提、集団、条件に基づく理論か普遍法則や全ての関係の価格表
SMV / sexual market value学術論文にも現れ得るが、オンラインではmanosphereの言説として使われることが多い語誰がどの意味で使い、何を測定したか標準化された一つの点数があるという前提

MEASUREMENT, NOT A SCOREBOARD

学術研究には「mate value」を測る尺度がある

EdlundとSagarinの2014年研究は、mate valueを自己、パートナー、別の対象について測れる4項目のMate Value Scaleとして設計し、内的一貫性、1因子構造、収束妥当性、再検査信頼性などを検討しました。これは、研究上の質問項目があることを示しますが、全人類に共通する「SMVの点数表」を意味しません。

誰の評価か

自分がどう思うか、パートナーをどう見るか、観察者がどう評価するかは別の指標です。

何を目的にするか

短期の性的関係、長期の恋愛、結婚につながる関係では、望ましさの質問が変わります。

どの場面か

対面、プロフィール、交際中、文化の違う集団では、同じ項目でも意味と結果が変わり得ます。

重要な境界:尺度の信頼性は、「その質問が一貫して答えを測る」ことを検討するものです。点数が人間の本質を測ること、他者の行動を正確に予測すること、道徳的な優劣を示すこととは別です。

CONTEXT CHANGES THE CONSTRUCT

41か国の研究でも、文脈と測定方法が残る

Csajbókらの2023年研究は、mate valueの概念化と測定方法をレビューしたうえで、41か国・3,895人のデータを使い、短期と長期の自己認知された望ましさを調べました。短期と長期では異なる項目になり、交際中かどうかでも自己評価が異なりました。著者ら自身も、mate valueの操作化には不一致や限界があると整理しています。

Goodwinらの2012年研究も、8つの文化集団・7か国の1,066人に24項目のself-perceived mate valueを尋ねました。抽出された要素には、思いやり、社会的魅力、情熱的なロマンス、冒険性、成熟・自信が含まれ、重視される特徴には文化的な差がありました。

さらにCsajbókらの2024年オンライン公開・2025年巻掲載のチェコ代表サンプル研究は、18〜50歳の2,280人を対象に、望ましい特徴と避けたい特徴が自己認知されたmate valueとどう関係するかを調べました。自己認知されたmate valueだけで説明できた分散は、男性1%、女性2%にとどまり、複数のmate value・交配戦略・人口統計指標を合わせても説明は限定的でした。これはmate valueを一つの個人スコアへ圧縮することへの反証ではなく、少なくともこの設計では、自己評価だけでパートナー選好の多くを説明できないという結果です。

mate valueとsexual economicsを扱う研究の比較
研究サンプル・方法示すこと限界
Edlund & Sagarin (2014)4項目のMate Value Scaleを複数研究で検証mate valueを自己・パートナー・他対象について測る道具の提案短い尺度が普遍的な一つの価値を保証するわけではない
Goodwin et al. (2012)8文化集団・7か国、N=1,066、24項目の自己評価自己認知された特徴と文化・自尊心の関連大学生サンプル、自己報告、文化分類の前提
Csajbók et al. (2023)41か国、N=3,895、短期・長期の自己認知された望ましさ目的別の自己評価と年齢・交際状況などの相関横断研究、主に異性愛者、他者の実評価や因果効果ではない
Csajbók et al. (2024 online / 2025 volume)チェコの代表的オンラインサンプル、18〜50歳、N=2,280望ましい・避けたい特徴と自己認知されたmate valueの関連。自己評価だけの説明力は限定的チェコの一国サンプル、横断研究、相関と説明分散であり因果効果や普遍スコアではない

A DISCOURSE CAN BE A RESEARCH OBJECT

manosphereでのSMVは、研究対象であって研究結果そのものではない

Van Valkenburghの2021年研究は、Red Pillコミュニティの中心的な文書26件、約13万語を質的に分析しました。そこでは進化心理学や経済理論の語彙が誘惑の戦略に組み込まれ、女性を交換可能な商品として構成する哲学が論じられています。

ここで測られているのは、Red Pillの言説がどのように概念を組み立てるかです。SMVという語がその言説の中で使われていることは、そこに含まれる男女の序列、固定的なピーク、交換モデルが実証されたことを意味しません。言説の存在と、言説の主張の真偽を分ける必要があります。

研究が問えること

誰がどんな語彙を使い、どの集団を想定し、どんな規範や行動を正当化しているか。

研究が自動的に証明しないこと

ネット上の分類が、個人の将来の交際結果や、男女の普遍的な価値順位を予測すること。

再利用するときの注意

「研究で使われる語」と「研究が支持した主張」を別々に引用すること。

manosphereでの進化心理学の使い方(just-so storyの実態、科学リテラシーとの関係)は、進化心理学とマノスフィアの研究ページで詳しく扱います。

THEORY AND CRITIQUE

sexual economicsは、理論枠組みとして議論されてきた

BaumeisterとVohsの2004年論文は、異性愛の性的相互作用を、性と資源の交換を含む市場として分析する理論を提示しました。これは出版された理論枠組みですが、理論の前提がそのまま現在の全ての恋愛関係に当てはまるわけではありません。

Rudmanの2017年論文は、sexual economics theoryの中心命題を整理し、それに反する研究をまとめて批判しました。したがって、この領域を扱うときは「学術論文がある」ことと「理論が確立した普遍法則である」ことを分け、賛成・反対の議論と測定されたデータを別々に読むべきです。

資源と倫理を直接競わせた実験もあります。Karthikeyan、Aung、Fisher(2025)は、米国の異性愛者を対象に、男性の顔写真に「倫理的評判」と「経済的資源」を記述するビネットを組み合わせ、長期交際の魅力・名声・知性・優しさ・支配性の評価への影響を3研究で検証しました。その結果、倫理的評判は長期交際の魅力・名声・知性・優しさの評価を高め、短期の魅力と支配性の評価には影響せず、親や青年期の倫理評判でも同様のパターンが見られました。つまり「資源を持つ男が常に上」ではなく、評価の次元によって効く変数が違います。

実験が示すこと

第三者の評判情報が評価を動かす。倫理×資源の組み合わせでは、短期の魅力と支配性以外の評価軸で倫理が優位でした。

この研究の限界

ビネット上の評判操作であり、実際の相手選びの記録ではありません。対象は米国の男性の顔写真のみ。社会望ましさバイアスの可能性も著者が認めています。

言えないこと

「倫理的な人が市場で有利」という処方でも、「資源シグナルが無意味」という主張でもありません。1つの文化・1つの刺激セットでの評価実験です。

RANDOMIZED EXPERIMENT / PNAS 2026

資源選好は固定値か——所得と格差を実験操作すると

「女性は資源を選ぶ」という性差が、環境で変わるかどうかは30年以上議論されてきました。Murphy、Harmon-Jones、Brownら(2026)の事前登録実験(PNAS)は、5カ国602人を45種類の仮想生態系に割り当て、参加者自身の所得と、その仮想社会でのジェンダー経済格差をランダムに操作しました。

操作された所得・格差

自分が貧しいほど、また自分の性別グループが貧しいほど、資源関連特性(「良い仕事を持っているか」等)への理想選好が強まりました。評価・順位付け・「経済的に上の相手と付き合う重要性」の3測度すべてで同様でした。

女性が富む世界では

仮想社会で女性の方が多くの資源を持つ条件では、従来見られる男女差は縮小し、上昇婚志向については消失しました。一方、年齢選好は予想に反して影響を受けず、外見選好もほぼ不変(弁別的妥当性)でした。

この結果の意味と限界

資源選好は固定の性差ではなく、戦略的に適応する変数であることを実験で示した研究です。ただし短時間の仮想生態系での申告選好の変化であり、現実市場の行動や長期の関係形成への外挿は著者らも保留しています。

境界:これは仮想条件下での申告選好の実験です。「女性の稼ぎが増えれば規範が消える」という社会予測にも、「だから女性は資源目線」という現在の主張にも即時変換できません。年齢選好が動かなかった点は、このサイトが扱う年齢言説とも直交する重要なnullです。PNAS誌の論文

CROSS-SECTIONAL SURVEY / BRAZIL / N=1,166 / EVOLUTION AND HUMAN BEHAVIOR 2026

自己認識と相手選好は、性別だけでなく社会経済的文脈でも変わる

Mafra、Castro、Lopes(2026)は、ブラジル北東部の1,166人(高SES 511人、低SES 655人)を調べ、自己認識、短期・長期パートナーの選好、競争相手の特徴を同じ研究内で扱いました。研究の問いは「誰に普遍的な市場価格が付くか」ではなく、どの社会的文脈で、どの特性の自己評価や選好が異なって見えるかです。

自己評価の軸が異なる

低SES群は身体的魅力を、高SES群は社会的スキルを相対的に高く自己評価しました。これは同じ「mate value」という語でも、自己評価の中身が一つではないことを示します。

短期・長期の選好も同じではない

高SES群は社会的スキルを、低SES群は長期パートナーで身体的魅力をより重視するパターンが報告されました。短期パートナーでは性別とSESの組み合わせによる差も現れ、単純な男女の固定順位にはできません。

競争文脈には測定上の限界がある

ライバルのプロフィール特性も扱われましたが、静的な刺激は自己認識されたmate valueを広く変化させませんでした。社会的比較を扱う研究でも、刺激の現実感と操作方法が結果を左右します。

境界:横断的な自己申告調査で、ブラジル北東部のSES区分と性別・関係期間の選好を比較した研究です。実際のデート選択、交際成立、日本の人口全体、個人のSMV点数を測ったものではありません。SESが人の価値を因果的に決めるという意味にも変換できません。Evolution and Human Behavior誌の原論文

PANEL EVIDENCE ON SINGLEHOOD / 2026

独身でいることのウェルビーイング——17,390人のパネル追跡

「市場価値が低いと独身が続く」という言説に対して、独身そのものを長期追跡した研究があります。Krämer、Stern、Buchinger、MacDonald、Bleidorn(2026)は、英独の3つのパネル調査から最初期に交際経験のない回答者17,390人(16〜29歳、年次観察110,261件)を抽出し、誰が独身を続けるか、ウェルビーイングがどう推移するかを分析しました。

誰が独身を続けるか

ウェルビーイングが低い人、男性、高学歴者、一人暮らしまたは実家暮らしの人ほど独身期間が長くなりました。選択的な要因は複数あり、「魅力だけ」では説明されません。

16歳時点は近く、20代後半で分岐した

16歳時点では2群のウェルビーイングはほぼ同じでした。その後、一貫して独身の群は、最終的に交際した群より人生満足度の低下と孤独感の増加がより急になり、差は20代後半に拡大しました。抑うつ症状の差は23歳前後に現れました。著者らはこれを個人の判定ではなく、中程度の平均的リスクとして位置づけています。

選択と関係形成は双方向

低いウェルビーイングは「その後も独身でいること」を予測し、独身状態の長期化とウェルビーイングの変化は相互に関連し得ます。初めての交際は短期・長期とも人生満足度の上昇と孤独の減少に結びつきましたが、抑うつ症状は変化しませんでした。平均的軌跡であり、「独身=不幸」でも「関係=解決」でもありません。

境界:観察パネルであり、独身状態はランダム割付されていません。平均的な軌跡であって個人の運命ではなく、英独の16〜29歳という限定があります。「独身=価値なし」という読み方にも、「独身でも問題ない」という断定にも、この研究は使えません。測っているのは平均的なウェルビーイング軌跡です。Journal of Personality and Social Psychology誌の論文

日本の若年層の単身化と「恋愛したくない」層の実数は、日本のマッチングアプリ利用率・単身化データのページで扱います。

REGISTERED REPORT / 43 COUNTRIES / N=10,358 / 2025

「理想通りの相手を選ぶ」はどのくらい効くか——世界規模の検証

「自分の理想と合う相手を探せばうまくいく」という考えには、史上最大規模の検証があります。Eastwickら(2025、JPSP登録報告)はPsychological Science Acceleratorと組み、43カ国・22言語・10,358人で、理想のパートナー選好が実際の相手評価や関係満足度を予測するかを、厳格さの異なる4つの分析方法で測定しました。

効果はあるが小さい

最も厳格な分析(補正済みパターン指標)ではβ=.19(単相関)〜.11(規範的マッチングと併用時)。属性レベルの交互作用テストは平均β≈.04と極めて小さく、「理想との一致」だけでは評価や満足度をほとんど説明しません。

手法で結論が変わる

弱い分析方法(理想-特性相関など)ほど「一致仮説あり」と結論しやすい——文献自体に方法論的な勾配があることが示されました。「理想通りを選んだから幸せ」という主張を見るときは、まず何ベースの分析かを確認する必要があります。

申告と行動のずれ

外見については男女とも申告選好が実際の選好を過小評価していました。経済力では男女で逆方向のバイアス。つまり「自分が何を重視するか」の自己申告そのものが系統的に偏ります。

境界:これは集団レベルの効果量推定であり、個人の相性診断やマッチングサービスの根拠にはなりません。著者ら自身、効果が小さければ「属性の一致」以外の理論(共有現実の構築、関係の物語など)が必要だと述べています。著者公開PDF(Psychological Science Acceleratorとの共著、*Journal of Personality and Social Psychology*)

SCALE VALIDATION / THREE STUDIES / N=546 / 2026

パートナー以外への想いは、関係の内側とどう結びつくか

「浮気」だけが語られる不倫議論に、その前段階——コミットした関係を持ちながら第三者について考え、感情を抱く経験(外的愛着・extradyadic infatuation)——の測定研究があります。Huțanu, LișmanとHolman(2026、Journal of Pacific Rim Psychology)は3研究・計546人でExtradyadic Infatuation Scale(EIS)を開発・検証しました。

何と結びつくか

EIS得点が高いほど、主関係での情緒的親密さと真正性が低く、パートナーへの敬意が低く、嫉妬は多い。過去の実際的不貞行動とも正の相関がありました。著者らは、こうした関係動態が外的愛着から将来の不貞への経路になりうると述べます。

測れているもの・いないもの

EISは「考えと感情の傾向」であり行動ではありません。横断的な検証標本で因果の方向は不明——関係の苦痛が想いを生むのか、想いが親密さを削るのか、両方かは分かりません。

読めること・読めないこと

「他の人に想いを寄せた=悪い人」でも「誰にも想うことは無害」でもありません。測れているのは、第三者への想いという広くある経験が、関係内の親密さ・敬意・嫉妬と系統的に結びつくという構造です。

境界:ルーマニア単一国、女性多数、魅力対象の存在を含む募集による自己選択という限界があります。Journal of Pacific Rim Psychology誌の論文

8-YEAR TRAJECTORY / MIXED-METHOD / N=124 / 2025

別れの痛みは「一時の苦しみ」ではない——8年間の軌跡

「失恋は時間が解決する」という常識には、8年間の縦断データがあります。Shulman, Yonatan–Leus, StraussとGabay(2025、Emerging Adulthood)は、イスラエルの124人を20・23・25・28歳で追跡し、別れの苦痛の軌跡を分類。28歳時に面接でロマンチック・コンピテンスを評価しました。

2つの軌跡に分かれた

3分の2は安定して低い別れの苦痛、3分の1は安定して高い苦痛の軌跡でした。重要なのは、高い群の苦痛が時間とともに「解消」しなかったことです。

高苦痛群が語った関係

面接では、高苦痛軌跡の人々が「パートナーに支配されることを受け入れる困難な関係」に身を置いていたと描写。低苦痛群は関係を有能に管理するスキルを語りました。苦痛は回復力の問題であると同時に、置かれた関係の質の問題でもある可能性があります。

読めること・読めないこと

因果は不明です。苦痛が関係選択を悪化させたのか、困難な関係が苦痛を維持したのか。ただし「失恋は誰にでも等しく時間で癒える」という仮定は、このデータでは成り立ちません。苦痛が続くとき、関係そのものの性質を見直す視点が研究側から示されています。

境界:イスラエル単一国、N=124、8年間の脱落、面接解釈の質的研究という限界があります。Emerging Adulthood誌の論文

META-ANALYSIS / 60 STUDIES / N=16,955 / 2023

拒絶への敏感さと関係アウトカム——メタ分析が示す関連の構造

「拒絶されやすい人は関係もうまくいかない」という主張には、メタ分析があります。2023年のPersonality and Individual Differences誌のシステマティックレビューとメタ分析は、60研究・147効果量・16,955人を統合し、拒絶感受性の3つの側面——不安的な期待、拒絶の知覚しやすさ、強い反応——が関係アウトカムとどう結びつくかを検討しました。

一貫した負の関連

拒絶感受性が高いほど、関係満足度・コミットメントが低く、嫉妬や対立行動が多いという関連が一貫して認められました。効果量は中程度で、研究デザイン間でも安定していました。

3側面モデルの機構

早期の経験から形成された「拒絶への不安的期待」が、曖昧な行動を拒絶として知覚しやすくし、強い反応を引き起こす——この機構モデルがデータと整合しました。つまり「拒絶されやすい」は性格ラベルではなく、知覚・反応のパターンとして分解可能です。

読めること・読めないこと

これは相関研究の統合であり、感受性が関係を悪化させるのか、悪い関係が感受性を高めるのか、双方向の可能性があります。「自分は拒絶感受性が高いから関係は無理」という個人判定にも、「感受性など気にするな」という一般化にも変換できません。測れているのは自己申告の感受性とアウトカムの同時分布です。

境界:自己申告測度が支配的で、標本は若年・西洋圏に偏る傾向があります。Personality and Individual Differences誌の論文

加齢とともに性的機能・満足・関係はどう推移するかの介入研究まで含めた全体像は、性的健康と加齢の研究ページにまとめています。

HOW TO ASK A BETTER QUESTION

「自分のSMVは何点?」を研究可能な問いに変える

公開研究から個人のSMVを採点することはできません。代わりに、知りたいアウトカムと観察場面を先に決めます。数値を求める前に、少なくとも次の5項目を分けると、問いが検証可能になります。

  1. 評価者:自己評価、特定の相手、複数の観察者、アプリ上の選択のどれか。
  2. 関係の目的:短期の性的関係、交際、長期関係、結婚など何を指すか。
  3. アウトカム:魅力評価、マッチ、返信、初デート、関係満足度を混ぜない。
  4. 集団と文化:年齢、性的指向、国、プラットフォーム、交際状況を確認する。
  5. 時間:一時点の自己評価か、関係や経験による変化かを区別する。

この分解をすると、SMVという一語を「個人の価格」に固定するより、どの相互作用のどの評価を知りたいのかが明確になります。年齢と初期魅力の研究や、アプリ利用とウェルビーイングの研究も、同じ「価値」の数字ではなく、それぞれ別の指標を測っています。

関連記事:mate valueやSMVをアプリ上のマッチ・返信と同じ数字にしないために、マッチ率・返信率・魅力の測定段階と、選択されたデータとアルゴリズムの影響も合わせて確認してください。進化心理学の研究がmanosphereでどう引用・変形されるかは進化心理学とマノスフィアの研究で整理しています。年齢と対面初期魅力の研究は4,500件のブラインドデート研究、女性の外見・自己認識・ジェンダード・エイジズムは女性の年齢と魅力の研究で整理しています。

DISCOVERY + REPLICATION / N=747 & 483 SINGLES / 2025

独身者のカジュアルセックス——「価値を失う」仮説への発見・再現テスト

「体だけの関係を続けると市場価値が下がる」という言説があります。Amarakoon, Latimer, MacDonaldとDawson(2025、Personal Relationships)は、独身者747人(発見標本)と483人(再現標本)で、カジュアルな性的関係(CSR)がある人とない人をアタッチメント・独身満足・ウェルビーイングの各領域で比較しました。

両研究で一貫した差

CSRのある独身者はアタッチメント回避が低い(親密さへの快適さが高い)、「自分は相手に求められる」という知覚(mate value)と性的満足が高い——「カジュアル sex = 回避的な人が逃げ場として使う」という理論予測と逆の方向でした。

再現しなかった差も明記

人生満足・抑うつ症状の差はStudy 2でのみ観測され、Study 1では再現しませんでした。「パートナーが欲しい」度合いは両群で差なし。著者ら自身が横断設計のため方向不明と明示しています。

読めること・読めないこと

「CSR=価値低下」言説への反証としては使えますが、「CSR=上級者の生き方」という逆ヒーロー化には使えません。ウェルビーイングが高い人がCSRに参加している可能性は常に残ります。

境界:Prolificオンラインパネル・自己申告・英語圏偏重という限界があります。Personal Relationships誌の論文

MACHINE LEARNING / 43 STUDIES / 11,196 COUPLES / 2020

機械学習が明かしたこと——関係の質は「自分の中の関係経験」から予測される

「どんな人が良い関係を築けるか」を探る大規模検証があります。Joel, Eastwickら(2020、PNAS)は29研究室・43の縦断データセット・11,196カップルをプールし、ランダムフォレストで個人の特性・パートナーの報告・関係特有の判断のどれが関係の質を予測するかを直接比較しました。

最強の予測因子は「自分の関係判断」

パートナーのコミットメント知覚、感謝、性的満足など自分自身の関係特有の判断がベースライン分散の約45%を説明。性格や個人差変数、パートナーの自己報告は、それ以上の情報を追加しませんでした。

「今後良くなるか」はほぼ予測不能

より重要な否定結果:時間経過による関係の質の変化(上昇か低下か)は、どのセルフレポート変数の組み合わせでもほとんど予測できませんでした。

読めること・読めないこと

これは「相性や相手選びが無意味」という意味ではありません。予測力がないのは「現時点の自己申告から未来の変化」であり、「価値で相手を選べば上手くいく」というSMV処方箋への反証として強力です。

形成済み関係の継続・解消を、別れの予測と関係満足度の時間軸に分けて読む研究は、別れの予測と関係満足度の時間軸で扱います。

境界:予測は因果ではない、自己申告のみ、WEIRD標本偏重という限界があります。PNAS論文

TWO-STUDY CORRELATIONAL DESIGN / POLAND / 2026

拒絶されやすさと「リスクの高い恋愛戦術」——価値意識の心理的な正体

「市場価値を守るために戦略的に振る舞うべき」という言説に対して、拒絶感受性と危険な交際戦術の関係を調べた研究があります。Rajchert(2026、Personality and Individual Differences)は、長期交際中の73人(Study 1)と独身の若者436人(Study 2)で、パートナー維持行動や略奪予測と拒絶感受性の関連を、攻撃性・ダークトライド・敵意・独身不安を統制して分析しました。

拒絶感受性は高コストの維持行動と結びつく

拒絶されやすい人は、高コストのパートナー維持行動や略奪(poaching)行動との正の関連が見られました。ただし、この関連の大部分は攻撃性と精神病質特性によって説明されていました。

文脈で逆転する利益提供戦術

興味深いのは、利益提供型の戦術(相手に良い思いをさせる行動)への関連が文脈依存だった点です。交際関係では正の関連、独身者の予測では負の関連でした。「拒絶への恐れ」が行動を駆動するのは、 antagonistic な特性と関係の文脈が組み合わさったときだと著者らは結論づけています。

境界:横断的な自己申告データです。Study 2は実際の行動ではなく予測(forecasted)を測定しており、Study 1のN=73は小規模です。ポーランドのサンプルであり、「価値を守る戦略」という言説への直接的な検証ではありません。測れているのは特性と報告された行動傾向の相関です。Personality and Individual Differences誌の論文

THREE STUDIES / FOUR SAMPLES / N=2,099 / 2025

長期パートナーの外見重視は、固定的な「市場価値」なのか

Peters、Maner、Meltzer(2025、Journal of Experimental Social Psychology)は、長期パートナーの外見を重視する傾向を、固定的な男女の序列ではなく、性欲望という近位の動機づけから調べました。3研究・4独立サンプル(合計N=2,099)で、性差や個人差と外見重視の関連、さらに性欲望を一時的に高めたり、その関連性を下げたりしたときの選好の変化を検討しています。

性欲望が近位のメカニズムとして働く

Study 1では、性差やsociosexualityと長期パートナーの外見重視との関連が、慢性的な性欲望によって統計的に媒介されました。Study 2では性欲望の状態を実験的に活性化すると、男女とも外見重視が増え、その増加幅は同程度でした。

欲望との距離を下げると重視度も下がる

Study 3では、性欲望を選好判断で重視しないようにすると、男女とも長期パートナーの外見重視が低下しました。結果は「誰が本質的に高価値か」ではなく、同じ人の判断が動機づけの状態と課題設定で変わる可能性を示します。

SMVの個人スコアにはならない

測定されたのは長期パートナー選好における外見の優先度です。実際の相手選び、交際成立、関係の持続や個人の「市場価格」を測った研究ではありません。

境界:実験操作が支持するのは、定義された選好課題の短期的な状態効果までです。現実の関係行動や将来の結果へ外挿せず、外見重視を道徳的な価値や普遍的な性差へ変換しません。Journal of Experimental Social Psychology誌の論文

EVOLUTION AND HUMAN BEHAVIOR / MONOGAMOUS + CNM / N=512 / 2026

mate valueの差は、関係の形と維持行動の文脈で現れる

Swanson、Balzarini、Mogilski、Himes(2026、Evolution and Human Behavior)は、mate value discrepancy(MVD)を個人に付く順位ではなく、自分とパートナーをどう知覚するかの差として、単婚関係と合意による非単婚(CNM)関係で比較しました。単婚312人、CNM200人が、自己と最大2人のパートナーのmate value、葛藤、嫉妬、mate retention、同性の相手への競争意識などを報告しています。

低い自己評価は、関係内の葛藤と結びついた

関係の形をまたいで、自分のmate valueを低く評価した人ほど、主なパートナーとの葛藤と同性の相手への競争意識を多く報告しました。これは自己知覚と関係経験の関連であり、客観的な魅力順位の測定ではありません。

CNMでは差の向きが文脈に依存する

CNM参加者では、自分を二次パートナーより高く評価する差が、葛藤・嫉妬・mate retentionの多さと結びつきました。嫉妬について話し合うこと、compersion、関係外の性的経験を共有することなどの維持行動は、葛藤や嫉妬の少なさと関連しました。

階層化は別の関連を持つ

パートナーを優先順位づけする関係階層への賛同は、葛藤・嫉妬・mate retentionの多さと関連しました。関係の形だけで結果を決めず、本人たちが使う維持行動とルールを分けて読む必要があります。

境界:横断的な自己申告とソーシャルメディア/スノーボール募集で、MVDが嫉妬や葛藤を引き起こすと証明したものではありません。mate valueは自己・相手の知覚であり、関係の外から測った個人スコアではありません。Evolution and Human Behavior誌の論文

GENERATION 3 / MATE VALUE AS A CONSTRUCT

mate valueを「個人の市場価格」に変換しない——選好・関係・制度を分ける

2025年の研究は、mate valueという語を一つのランキングとして扱うより、選好をどう尋ねたか、関係の中で何を測ったか、どの制度や選択肢に接したかを分ける方向を示しています。これはSMV言説を否定するための別のスコアではなく、スコア化の手前で測定単位を戻すための整理です。

mate value研究を選好・関係・制度の測定層に分けた比較
研究が操作・測定したもの結果SMVへ読み替えられない理由
自分の特性とパートナーの特性を同じ形質内でトレードオフにする3研究魅力、知性、野心、富、ユーモア、親切さで、単独質問より性差が大きく見える形質があった事前登録されたオンライン回答であり、実際の相手選択、交際成立、個人の価格を測っていない
交際中の二人のmate-value次元と関係満足度家族志向、資源性、外見、社交性、身体条件の双方が高い組み合わせで満足度が高かったノルウェーの横断調査で、関係の選択後に測った関連。高い値が満足度を生むという因果ではない
日本の11年パネルでの配偶者条件と婚姻行動条件を多く挙げる人ほど探索行動は多かったが、婚姻への移行は遅くなった条件の数は市場価値ではなく、状況・性別役割・選択肢と結びつく自己申告の指標

Reynolds、Baumeister、von Hippelの研究は、自己の特性を高めたい動機と相手に求める動機が混ざると、選好の差の見え方も変わることを示します。Mehmetogluらの研究は、二人の関係における多次元の組み合わせを測ったもので、個人を市場に並べる式ではありません。日本の制度と婚姻移行は日本の利用データ記事で、アプリのマッチ・返信などの観測条件は指標ガイドで分けて読みます。

判断の境界:この研究群から年齢、外見、収入、性別を足し合わせた個人点数や、交際・結婚の確率を作りません。読めるのは、特定の研究設計でどの選好・関係評価・制度上の結果が関連したかまでです。

SEARCH QUESTIONS, ANSWERED CAREFULLY

よくある問いへの短い答え

SMVの用語と研究のページで答えられる問い
問いこのページの研究から言える答え
SMVは学術用語なの?学術には文脈依存のmate value尺度がありますが、ネット言説の「性的市場価値」スコアは研究の産物ではなく分析対象です。尺度・理論・言説を同じものとして扱わないのが原則。→該当セクション
SMVのピークは何歳?ネット言説にある固定ピーク曲線は研究の産物ではありません。学術のmate value尺度は文脈依存で、普遍的な年齢曲線を裏付けません。→該当セクション
恋愛市場価値(SMV)は年齢から計算できる?できません。mate valueの尺度やsexual economicsのモデルは、対象・場面・結果が限られた研究上の構成概念で、年齢だけから個人のSMVを算出する標準式ではありません。→研究可能な問い
独身は不幸?17,390人のパネルでは、一貫して独身の群で満足度低下・孤独増加がやや強かった一方、著者らは「中程度の平均的リスク」と位置づけます。個人判定には変換できません。→該当セクション
別れの痛みは時間で必ず癒える?124人を8年間追跡した研究では、3分の1が高い別れの苦痛を持続させ、「時間が解決する」とは限らないことが分かりました。高苦痛群は支配的な関係に置かれていた描写があり、関係の質も関与します。→該当セクション
倫理さえ良ければ外見は無関係?ビネット実験では倫理的評判が長期魅力評価を上げましたが、対象は米国の第三者評価であり、実際の出会い市場の結果ではありません。→該当セクション
性的欲求が高いと外見重視になる?3研究・4サンプルの実験では、性欲望を一時的に活性化すると長期パートナー選好での外見重視が増え、関連性を下げる操作では減りました。ただし実際の相手選びや個人のSMVを測った結果ではありません。→該当セクション
mate valueの差が嫉妬を生む?単婚312人とCNM200人の横断研究では、自己とパートナーのmate valueの知覚差が葛藤・嫉妬などと関連しましたが、因果や普遍的な順位は示していません。→該当セクション
mate valueは性別だけで決まる?ブラジル北東部1,166人の研究では、SESと性別の文脈によって自己評価や短期・長期パートナーの選好が異なりました。ただし横断自己申告であり、個人の市場価格や因果効果を示すものではありません。→該当セクション
拒絶されやすい人はどうなる?2つの研究では、拒絶感受性の高い人は高コストのパートナー維持や略奪行動との関連がありましたが、その多くは攻撃性・精神病質特性で説明されました。→該当セクション

LIMITS

この研究群から言えないこと

  • SMVに全研究者が合意した一つの数値尺度があるとは言えません。
  • mate valueの自己評価が、他者の実際の評価や交際結果を完全に表すとは言えません。
  • 短期の性的魅力、長期のパートナー適合性、関係満足度を同じ点数で比較できません。
  • manosphereの言説に現れるSMVが、そのまま心理学・社会学の実証結果とは言えません。
  • 研究上の望ましさの指標から、人間の道徳的価値、尊厳、将来を判定できません。
  • 横断的自己申告データから、拒絶感受性と危険な交際戦術の因果関係や個人の行動予測を断定できません。
  • SESや性別ごとの平均的な選好差から、個人の市場価値、交際成功率、日本の普遍則を算出できません。

PRIMARY SOURCES

原典と研究台帳

  1. Csajbók et al. (2023), “Individual Differences in How Desirable People Think They Are as a Mate”Archives of Sexual Behavior 52, 2475–2490. DOI: 10.1007/s10508-023-02601-x|41か国、N=3,895、短期・長期の自己認知された望ましさ。
  2. Csajbók et al. (2024 online; 2025 volume), “Observed Aspects of Mate Value and Sociosexuality Account for Mate Preferences: Data from a Large, Representative Study from Czechia”Archives of Sexual Behavior 54, 309–322. DOI: 10.1007/s10508-024-03010-4|チェコの代表的オンラインサンプル、18〜50歳、N=2,280。
  3. Edlund & Sagarin (2014), “The Mate Value Scale”Personality and Individual Differences 64, 72–77. DOI: 10.1016/j.paid.2014.02.005|mate valueを測る4項目尺度の検証。
  4. Goodwin et al. (2012), “Mate Value and Self-Esteem: Evidence from Eight Cultural Groups”PLoS ONE 7(4): e36106. DOI: 10.1371/journal.pone.0036106|8文化集団、7か国、N=1,066、24項目の自己認知されたmate value。
  5. Van Valkenburgh (2021), “Digesting the Red Pill: Masculinity and Neoliberalism in the Manosphere”Men and Masculinities 24(1), 84–103. DOI: 10.1177/1097184X18816118|Red Pill文書26件・約13万語の質的分析。
  6. Baumeister & Vohs (2004), “Sexual Economics: Sex as Female Resource for Social Exchange in Heterosexual Interactions”Personality and Social Psychology Review 8(4), 339–363. DOI: 10.1207/s15327957pspr0804_2|市場比喩を用いる理論枠組み。
  7. Rudman (2017), “Myths of Sexual Economics Theory: Implications for Gender Equality”Psychology of Women Quarterly 41(3). DOI: 10.1177/0361684317714707|sexual economics theoryの命題と反証研究を批判的に整理。
  8. Karthikeyan, Aung & Fisher (2025), “Ethics trumps resources in women’s and men’s evaluations of potential mates and competitors”Scientific Reports 15:22597。米国異性愛者を対象に、男性の顔写真×倫理評判×資源のビネット実験3研究。倫理的評判は長期交際の魅力・名声・知性・優しさの評価を高め、短期の魅力と支配性は不変。親・青年期の倫理でも同様。
  9. Murphy, Harmon-Jones, Brown et al. (2026), “Partner preferences for resources adapt to income and gender economic inequality”PNAS 123(12): e2527295123(事前登録実験)。5カ国602人を45の仮想生態系に割り当て、所得とジェンダー経済格差を操作。資源選好は自分・自性別グループが貧しいほど強まり、女性が富む条件では男女差が縮小・上昇婚志向は消失。年齢選好は不変。
  10. Krämer, Stern, Buchinger, MacDonald & Bleidorn (2026), “Life satisfaction, loneliness, and depressivity in consistently single young adults in Germany and the United Kingdom”Journal of Personality and Social Psychology(advance online)。英独3パネル17,390人・年次観察110,261件(16〜29歳)。一貫して独身の群は人生満足度低下・孤独感増加がやや強く、差は20代後半で拒大。著者は中程度の平均リスクと位づけ。
  11. Eastwick, Sparks, Finkel, Meza, Adamkovic, Adu et al. / Psychological Science Accelerator (2025), “A Worldwide Test of the Predictive Validity of Ideal Partner Preference-Matching”JPSP登録報告(オープンアクセスPDF)。43カ国22言語10,358人。最も厳格な分析での一致効果は小(補正済みβ=.19/.11、属性レベルはβ≈.04)。弱い分析ほど大きな効果が出る方法論的勾配を示した。
  12. “Rejection sensitivity and romantic relationships: A systematic review and meta-analysis” (2023)Personality and Individual Differences。60研究・147効果量・16,955人。拒絶感受性が高いほど関係満足・コミットメント低く、嫉妒・対立多い—3側面モデル(不安的期待→拒絶知覺→強い反応)と整合。
  13. Huțanu, Lișman & Holman (2026), “Longing for Another: Extradyadic Infatuation and Its Associations with Features of the Primary Relationship and Infidelity”Journal of Pacific Rim Psychology 20。3研究計546人。EIS高得点は情緒的親密さ・真正性・敬意の低さと嫉妬の多さ、過去の不貞行動と正の相関。
  14. Shulman, Yonatan–Leus, Strauss & Gabay (2025), “Breakup Distress Trajectories Across Emerging Adulthood and the Quality of Romantic Relationships”Emerging Adulthood。124人を20-28歳追跡。3分の1は安定して高い苦痛の軌跡——時間だけでは解消せず、面接では支配的な関係に置かれる困難な関係が語られた。
  15. Amarakoon, Latimer, MacDonald & Dawson (2025), “Who Is “Doing It”? Casual Sex and WellBeing in Singlehood”Personal Relationships。発見+再現の2標本(747/483人)。CSRあり独身者はアタッチメント回避が低くmate value知覺が高い——「CSR=価値低下」言説と逆方向。
  16. Joel, Eastwick et al. (2020), “Machine learning uncovers the most robust self-report predictors of relationship quality”PNAS。43研究・11,196カップル。自分の関係特有判断が約45%を説明。個人差やパートナー報告は追加情報なし。関係の質の変化はほぼ予測不能。
  17. Rajchert (2026), “Rejection sensitivity and risky mating tactics: Mate poaching and mate retention”Personality and Individual Differences。長期交際73人+独身436人の2研究。拒絶感受性→高コスト維持・略奪の正の関連は攻撃性・精神病質で大部分説明。利益提供戦術は文脈依存。
  18. Peters, Maner & Meltzer (2025), “The evolved psychology of mate preferences: Sexual desire underlies the prioritization of attractiveness in long-term partners”Journal of Experimental Social Psychology 121:104791. DOI: 10.1016/j.jesp.2025.104791|3研究・4独立サンプル、合計N=2,099。性欲望の状態操作が長期パートナー選好における外見重視を動かすが、個人の市場価格や実際の相手選びではない。
  19. Swanson, Balzarini, Mogilski & Himes (2026), “How perceived mate value discrepancies are related to jealousy, mate guarding, intrasexual competition, and partner conflict in monogamous and consensually non-monogamous relationships”Evolution and Human Behavior 47(5):106936. DOI: 10.1016/j.evolhumbehav.2026.106936|単婚312人・CNM200人の横断研究。MVDと葛藤・嫉妬・維持行動の関連を、関係の形と維持実践の文脈で調べた。
  20. Mafra, Castro & Lopes (2026), “Social context may influence more self-perception and romantic partner preferences than biological sex”Evolution and Human Behavior 47(3):106837. DOI: 10.1016/j.evolhumbehav.2026.106837|ブラジル北東部1,166人の横断研究。SES・性別と自己評価、短期・長期パートナー選好、競争相手の特徴を調べ、個人の市場価格を測る研究ではない。
  21. Reynolds, Baumeister & von Hippel (2025), “Tradeoffs between self and mates reveal larger sex differences in trait preferences”Evolution and Human Behavior 46(6):106774。3件の事前登録オンライン研究(N=196、179、831)。自分と相手の形質を同じ問いでトレードオフにすると、形質別の性差が広がることを示した。実際の相手選択や個人の価値点ではない。DOI: 10.1016/j.evolhumbehav.2025.106774
  22. Mehmetoglu, Määttänen & Mittner (2025), “The Link Between Mate Value Discrepancy and Relationship Satisfaction—An Empirical Examination Using Response Surface Analysis”Behavioral Sciences 15(8):1131。ノルウェーの交際中904人。多次元のmate-valueと関係満足度をresponse surface analysisで分析した横断研究で、個人の市場価格や因果効果を測らない。DOI: 10.3390/bs15081131

原典・訂正情報の確認日:|この記事はSMVの個人採点を提供しません。

研究ハブへ戻るトップページへ戻る方法論